ランクダウンする上位会員はどんな人?【上位会員の”揺れ”の中に客数増のチャンスあり】
前月も今月も同じ買上ランクの会員は3割?
月間稼働会員の買上ランク別の人数は、商圏内で大きな環境変化がなければ、前月とほぼ同じです。
A社の場合、50,000~59,999円の買上ランクの会員を見ると、前月も今月も同じ買上ランクにいたのは3割程度でした。
これは、A社に限ったことではなく、会員の月間買上額は”揺れる”ものです。
実際にお客様に聞いたことがあります。
「そういえば、近所の人に野菜をたくさんもらったから、行かなくて良かったかもねえ」
「お米を親戚が送ってきてくれて、しばらく買わなくてよかった」
でも、多くの方は、お店に来る回数や購入金額を減らしたという意識はあまりありませんでした。
「いつも同じように買い物しているし、来てると思うんだけどねえ」
上位会員のランクダウンの中に会員客数増のチャンスがある
無意識に買い物行動が”揺れている”のであれば、意識を持ってもらうことで買い物を促すことは有効です。
上位会員対策として、ある一定期間にお買い物すればポイントが多めにもらえるパスポートは、継続的に来店の意識を持ってもらえて、ランクダウンを防止できます。ランクダウンするかもしれない上位会員を半分でも維持できれば、下位・中位から自然にランクアップする会員と合わさって、上位会員層が厚くなるということです。
来店回数が多い上位会員数が増えると、会員客数が全体的に増えますので、客数増にもなります。
上位会員対策は、ランクダウン防止策であり、来店回数増策であり、会員組織を強くすることになります。
ぜひ、上位会員にしっかりと貢献してもらいたいお盆商戦、歳末商戦が始まる前に取り組んでみてください。
ところで、ランクダウンする上位会員はどんな人?
ここからは、私自身の買い物の体験からの気づきです。
Aスーパーの近くの病院に週末ごとにしばらく通っていたので、お酒やヨーグルトやたまごやその週のどこかで使うであろう肉など、ある程度日持ちをするものを1回7,000円近く買い、月間で30,000円近く買ってました。ところが、3か月後、通院が終わったため、そのAスーパーには、月1回程度、別の用事ができたときに立ち寄るペースになりました。Aスーパーから見ると、上位会員から下位会員へのランクダウンとなります。
近さというのはとても大切なポイントですので、立ち寄るきっかけが変わると来店にも影響します。ですが、ポイントは、Aスーパーで買っていたもの、買わなかったものにも潜んでいます。実は、通勤帰りに週3回程度買い物をしているBスーパーとの買い回りをしていたのですが、Bスーパーは刺身がおいしく、鮮魚売り場がしっかりしていたので、メインのおかずになるものを中心に買っていました。通院をやめたら、週末も重いものをBスーパーや近くの別の店で買うという形に戻していました。
AIでランクダウンや休眠化する会員の特徴を調べたことがあります。特徴の一つに、生鮮食品をまんべんなく買っていない上位会員は離反しやすいという点がありました。つまり、Aスーパーが圧倒的にBスーパーよりも生鮮食品の魅力が高ければ、それほど遠くないので、継続して来店する可能性はあったということです。たまに買っていた”から揚げ”がものすごくおいしくて、「あれ食べたいな」と強く思ったら…
狭商圏化での個客売上の最大化を図るためには、まだまだ知るべきこと、やるべきことがたくさんあるんですね。